2021年10月29日、ナーシング和楽縁 本店にて、T様を看取らせていただきました。
お一人暮らしのT様は「自分のことは、自分で決める」とおっしゃり、ご自身で入居する施設を探されていました。私たちもT様とお会いした時に「是非、ご入居していただきたい」と強く感じ、ナーシング和楽縁 本店にご入居していただくことになりました。
T様が和楽縁へご入居してから看取らせていただくまでの約3ヶ月間。
訪問診療の医師と薬剤師も含めた、私たちのストーリーをお届けさせていただきます。
ナーシング和楽縁 本店へご入居
名古屋市内の病院へ入院され、抗がん剤治療をされていたT様は、お一人暮らしを不安に感じられ、ご自身で施設を探され 2021年8月4日にナーシング和楽縁 本店へご入居されました。
居室内でもギター演奏をしていただいたり、夏祭りの際にはおしゃれをして写真撮影を楽しんでいただくなど、「自分のことは、自分で決める」とおっしゃるT様に、自分らしい生活を実現していただくための支援が始まりました。

化学療法治療継続のために通院開始
T様は化学療法治療継続のために、名古屋市内の病院に通院されていました。
施設では腹痛、嘔気・嘔吐の症状が出始めたため、症状コントロール管理介入をしました。
めまいや浮遊感があったため、スタッフは、T様の転倒の危険性に細心の注意を払っていましたが、居室内で堅苦しく感じられないように見守っていました。

その後、胃癌穿孔の疑いのため病院へ受診され再入院となり、腹膜炎手術を受けられました。
T様は「施設に帰りたい。私の家です。」とおっしゃって退院され、私たちスタッフも身の引き締まる想いで、お出迎えいたしました。
終末期に向けて医師・薬剤師と連携
そのころは中心静脈栄養の点滴管理をしており、トイレ歩行時に移動しやすいように、ご本人希望で点滴棒は使用せず、持ち運びが可能な外出用の固定器具を使い、移動の工夫をしました。
看護師は、終末期に向けて疼痛時の麻薬の投与、嘔吐時・不眠時・不穏時の座薬の投与など…今後起こりうる症状を予測し、T様の苦痛を取り除くために医師・薬剤師と連携し準備を進めていました。この頃からT様は、状態悪化に伴い歩行が困難となり車椅子の移動となりました。

ご本人のご希望で、スタッフ3人でトイレ介助をさせて頂きましたが、残念ながらその夜に亡くなられました。
奥様に先立たれたT様を支え続けた息子様が、最後まで寄り添われ「ありがとうございました」とスタッフにお礼のお言葉をかけて頂きました。
最期まで「その人らしさ」を大切にしたい

T様の息子様は、毎日外出に付き添われていました。
T様は、お亡くなりになる3日前までショッピングモールへ出かけられていました。
T様の「やりたい。こうしていたい。」と望まれていることを、出来る限りサポートさせて頂きました。
最後まで息子様と施設スタッフ、連携スタッフと共に歩んだT様でした。
ナーシング和楽縁では「その人らしさ」を尊重したケアを大切にしており、私たちは「自分のことは、自分で決める」とおっしゃていたT様の想いこそ「その人らしさ」であると考えています。
これまでも、そしてこれからも。
私たちナーシング和楽縁は、ケアマネジャーをはじめ、医師や薬剤師の方々と連携を図りながら「その人らしさ」をカタチにするため、皆様の支援に尽力して参ります。
